寅次郎の喜怒哀楽    寅パパの多事争論 Ver.2

国際政治専攻の寅パパが、ん?と思ったら書いています!

背水の陣

温州の中国版新幹線の衝突事故。

党・中央が本腰を入れたことがハッキリした。

だがその目的と結果は、決して良い意味ではない。

かなり複雑なものだ。

何を以て、どう判断するか。

留学の先輩(富坂氏)は若干弱めに思うが、

後輩の自分は強めにね♪

第一に、国家機密ともなる温家宝総理の直近の動静を公にし、

療養中の身の総理を担ぎ出したこと。

これはこれまでの党・中央の判断からは、

大きくかけ離れた対応と言わざるを得ない。

謎だからこそ偶像化が可能で、カリスマ性を保つことができる。

公開すれば必ず追いかけられる。

それなりの情報もチョロチョロ漏れる。

じゃぁ、なんでそんな情報を流したんだ?・・・ってことになる。

恐らく、江沢民前総書記の生死動静が駆け巡ったこと、

このことを全て完全否定する狙いが裏にある筈だ。

「入院していれば公にするんだよ」

党・中央はテキトーにそう言いたいのである。

その場しのぎに・・・。

だって、趙紫陽天安門事件の際に、

戒厳令発布の大会に「体調不良」で欠席しているのですよ。

第二に、四川大地震の際に成都鉄路局局長に任ぜられ、

その時の働きが党・中央に認められて副大臣クラスで扱われた

鉄道省の切り札である安路生氏を上海鉄路局局長に戻したこと。

党・中央が鉄道関連で動かせる

適任の駒が一人しか居ないことを如実に物語っている。

つまり残りは利権の泥沼にハマっている輩ばかり、

そういう事実を伝えている。

だが一筋の光も残っている。

ネットでしか見れないが、人民網も、新華網も、新浪網も、

若干トーンダウンしたものの、

未だに精一杯に強めの論陣を張っている。

CCTV2の女性アナウンサーは涙を流した。

これは1989年のCCTVのニュース番組「新聞聯播」の司会者

張宏民氏と杜憲氏が、喪服のような出で立ちで放送に臨み、

訃報を伝える速度で原稿を読んだことに相通ずる。

1989年って???

それは天安門事件。別名「六・四」。

その時の総書記は趙紫陽

彼は「我々は君達の前に来るのが遅くなった、申し訳ない」と涙した。

それは上述の戒厳令発布の前。朝4時のこと。

ハンドマイクを持ったまま8分間沈黙した。

今回の温家宝総理。

事故現場での会見の際、真一文字に食いしばったその唇が震えた。

あの表情を日本のマスコミはクローズアップしたかい??

すべてがオーバーラップするシーンだった。

ここで中国が変われるか?

空母を作っている場合ではない!!

寅パパ