寅次郎の喜怒哀楽    寅パパの多事争論 Ver.2

国際政治専攻の寅パパが、ん?と思ったら書いています!

原油高とロードサイドビジネス

ニュースをボーっと観ていたら、来月のレギュラーガソリン店頭価格が180円に突入すると言っていた。

ふーん。

ここで寅パパは真面目な考えを一言だけ残したい。

原油がこれほどまで高騰する前提ではなかった状況下で、日本は「何が何でも道路を造れ!」とばかり、全国に道路を造ってきた。地方では市中心部を経由していた国道・県道を次々に迂回させ、「バイパス」という名の豪華な道路を造り、街全体の経済構造を一変させた。その結果「ロードサイドビジネス」なる新しい経済用語が生まれ、全国各地にドーナツ化現象を引き起こした。クルマの少なかった時代には市中心部が繁華街だったが、道路行政がそれを破壊し、シャッター通りなる衰退した寂しい商店街を生み出した。

それがどうだろう。日本の株式市場から手を引いたダブついた外国資金も手伝って、世界中で行き場を失った投機マネーに揺さぶられる形で予想以上の原油高が巻き起こり、さらには円安も手伝って輸入コストはどんどん上昇し、ガソリン価格の高騰に歯止めが掛からない。

そうなると自ずと車を手放す、或いは出かける回数を減らすという自己防衛行動が表面化する。真っ先にGSは経営が息詰まる。出かける回数が減れば、自動車保険も見直す。その上、行動範囲(積算行動距離)が狭く(短く)なるわけで、買い物環境も変化を余儀なくされ、地方のロードサイドビジネスがどう変化するのか注目する必要がある。

地方は完全なクルマ社会。一家に2台も当たり前だ。それを一台に減らして我慢をし、さらには買い物を週末の「まとめ買い」で出かける回数を控えるだろう。もしかしたら、勤め帰りに買って帰るパターンが増えるかもしれない。

今一番重要なのは、消費者の行動パターンの変化を読み切る冷静な分析力である。

イ○ングループは、郊外型店舗の開発で街を創出することが戦略だった。それはクルマあっての話である。ヨー○堂グループも同じであるが、海外に活路を見出そうと躍起になっている。

大手が地方のロードサイドから撤退した時、本当の地方の苦しみが始まる。お付き合いのように出店した企業はバタバタいくに違いない。失業率も跳ね上がるに違いない。

寅パパが憂慮しているのはこの一点である。

寅パパ