寅次郎の喜怒哀楽    寅パパの多事争論 Ver.2

国際政治専攻の寅パパが、ん?と思ったら書いています!

JR東日本の時計撤去

お疲れさまです。寅パパです。

もうすぐゴールデンウィークですが、今年もカレンダー通り、普通に自宅で過ごす予定です。新型コロナ対策、ここで気を緩めてはいけないと思うので(笑)

 

 

さてさて。

 

 

最近、JR東日本の駅舎から時計が撤去されていることが話題になっています。当然ながら、経費削減と利用者の利便性を天秤にかけて、そのことが論拠になっています。

 

 

寅パパ、こう見えても多少なり建物の時計に携わった経験があるので書いておきますね。

 

 

駅舎の時計は業界では『設備時計』の一種で『親子時計』とも呼ばれます。親時計で複数の子時計をコントロールして時刻表示するものです。当然ながら、正しい時刻を表示するためには親時計を定期的に時刻補正しなければなりません。時刻補正には長波、GNSS、テレホンJJY、FM等があり、もちろんGPSもあります。コスト的に言えば、親時計はイニシャルコストの比重が高く、今回の撤去の大きな要因(ランニングコスト)ではありません。

 

 

それじゃ、経費削減のために撤去する…その大きな理由は何か??

 

 

それは親子時計の間をケーブルで繋いで同期化していることこそが、メンテナンスコストを押し上げてしまっている点にあるのです。正確な時刻情報を得た親時計の先の小時計に、その正確な時刻情報を表示させるために、ケーブル経由でパルスを発出しているからなんです。

 

正確な時刻情報を親時計が受信しても、子時計で正確に時刻表示されなければ意味がないわけで、そこは何が起きるかわからないリスクを可能な限り排除しようとすれば『有線』がベストなんです。スポーツ大会の公式計時も同じ理由です。100分の1、1000分の1に賭けているわけですから、記録が飛ぶなんてあり得ない話なのです。ちなみに違う業界の話になりますが、韓国のマスコミがぶら下がり取材で、一度にたくさんのインカムを取材対象に向けているシーンが時々出ますが、日本じゃ有り得ないことなんです。

 

メンテナンスコストがかかること、これは比率の問題で、特に利用者の少ない地方の駅一カ所一カ所を単体で捉えた場合、致命的なのは確かです。都市部の大型駅は利用者も多く、また立地環境もコンクリートに囲まれたり、地下だったりするから比較の対象にはなり得ません。

 

でも、上述のような地方の駅舎は、地上の通信環境が良いロケーションに立地している可能性も高いわけで、低コストな対応が不可能ではないと言えます。

 

いきなり撤去(=ゼロ)というのは乱暴かな。小時計は音を鳴らすわけでもないし。

発車チャイム、駅員さんのアナウンスなど複数系統の設備が混在しているのですから、企業側と協働して、もう少し知恵を絞ればよいだけのことなのですがね。再施工のコストは生じますけど。

 

寅パパ