春を呼ぶオキナグサ
今日は、寅次郎パパの真面目なお話ね。
それは春の訪れを告げる花のお話。
学名:Jasminum nudiflorum
別名:オキナグサ(翁草)
または中国名:迎春花(インチュンホワ)
特徴:なだらかな山の斜面のように枝が地面の方向に伸び、ぽつりぽつりとかわいい黄色い小さな花を咲かせます。
「オキナグサ」って知ってました?
日本では梅とか福寿草の花などが春を呼ぶ代表的ですね。
中国では「迎春花」がその代表なんです。
今は亡き孫平化さんから私が聞いた話ですが、
歌手の服部富子さんという方が唄った「満州娘」という歌に、
「迎春花が咲いたなら、お嫁に行きます」・・・と出てくるのだそうです。
しかも「隣村の王さん、待っててね」と続くのだとか。
時代を感じずにはいられません。
その昔、多くの日本人が中国東北部にいましたが、
恐らくかなり大多数の方々が、
長く辛い冬を明けたある穏やかな日、
この「迎春花」を見て、
「待望の春」の訪れを感じたのではないでしょうか。
どんなお気持ちだったのでしょう。
私が中国に最初の一歩を踏み出したのが1986年。
随分昔の事になってしまいました。
その頃の北京の冬は寂しい土色一色でした。
冬の代表格と言えば練炭の燃えた匂い。
寒く乾燥した街。
野菜だって青物(葉物)は無く、白菜がメイン。
そんな色彩的に変化の乏しかった中国でしたので、
春に花を咲かせる「迎春花」、
その鮮やかな黄色は強烈な記憶として残っています。
今から60年近く前の当時の先達も、
もしかしたら同じ感覚だったのでしょうか。
今住んでいる敷地内に「迎春花」が咲いていました。
今日現在、中国そして上海は、
日本からも世界からも熱い注目を浴びています。
20年前とは比べものにならない程多くの駐在員が、
中国大陸の各都市にいらっしゃいます。
その中のどのくらいの方々が、
こういった話を知っていて、
どういう想いで「オキナグサ」をみているのか・・・。
ちょっぴり気になりました。
ということで、そのオキナグサと今住んでいる敷地内の春をご覧下さい。
ボクにとっては青春の1ページに存在する特別な花なので・・・。
寅次郎の父